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Y31 VG30DET用ターボユニットを入手

R32あたりから常識になっている、ボールベアリング&水冷式のタービン。
これを我がHR30にも導入すれば、アクセルレスポンスとブーストの立ち上がりが良くなるのかな、と期待し、やってみることにする。


VG30DET搭載のY31用中古品。
R32やR33と同様、ボールベアリング入りの水冷式。 全体のサイズは、R33などのRB25用と同じ。
インペラは、R33の後期モデルに使われているようなセラミックではなくメタル。
また、R33などと違い、コンプレッサ側アウトレットの形状がストレートなので、HR30に搭載した際の配管の取り回しには都合が良さそう。


L20ETのノーマル(写真右)と比較すると、排気側、コンプレッサ側共にVG30DET用のものが一回り大きい。
EXマニホルドに取り付くフランジの形状、スタッドボルト間のピッチ、排気側アウトレット形状(6本スタッドのフランジ)、吸気側インレットの径はいずれも共通。
比較のために並べたオイルまみれのL20ETターボユニットは、新車時装着されていたもので、1994年にリビルト品に交換した際に取り外したもの。 シャフトは固着し、もはや手では回らない。 タービンハウジングに直付けのO2センサーは、排気側アウトレットより後ろのどこかへ移設が必要。

角度を調整しようとしたが・・・


VG用とL用とで大きく違うのは、排気アウトレットとオイル出入口との角度関係。 これは、排気側ハウジングの外周を固定する6本のボルトを緩め、ハウジングを回転させて角度を合わせることで解消が可能。
写真のような上向きの状態で排気側ハウジングをバイスに挟み、外周のボルト6本を緩め、テーパー嵌めになっている排気側ハウジングをバールでこじ上げてフリーにし、コンプレッサ側のアウトレットにウェスを巻いたバールを突っ込んでゆっくりと回転させる・・・ のだが、やっていると何だかイヤな手ごたえが・・・。

排気側の羽根が欠けた - 失敗!


何と、排気側のセラミックの羽根が欠けてしまっているではないか。
原因は、排気側ハウジングをこじ上げる際、持ち上げ過ぎて回転軸が傾き、羽根がハウジング内壁に当たったことのに気付かず、そのままハウジングを回してしまったため。
羽根外周とハウジング内壁の隙間は、見た目では平均して1mmあるか無いか。 この隙間を保つように、見ながら慎重にハウジングをこじ上げるべきだった。
作業の際、この羽根は下向きになっていて、全く見ていなかったのがいけない。
不注意でターボユニット一基ムダにしてしまった。

気を取り直して再び



気を取り直して、同等品を再び入手。 今度はY32だが同じくVG30DET用。
今度は排気側の羽根が常に見えるよう、上向きにしてターボユニットをバイスに挟み、羽根とハウジング内壁がぶつからないように、緩めた6本のボルトの頭を対角線上に交互に、そして慎重にゆっくりゆっくりこじり上げていく。
今回は無事成功。
角度が決まったら、ボルト6本を再び慎重に締め込んでいくだけ。

角度調整の目安


RBやVGのタービンハウジングの角度を、Lターボのそれに合わせるには・・・
(1) EXマニとの取付フランジとオイルリターンパイプ取付フランジとの角度を80度にして・・・


(2) コンプレッサアウトレット横のアクチュエータ取付面とオイルリターンパイプ取付フランジとの角度を90度にする。
実際には、L20ETのターボユニットに付く遮熱板とそのブラケットが無理なく取り付けば、角度は合っていると見なせば良い。

計画変更 - ハイブリッドターボユニット

VG30DETターボユニットそのままではなく、RB20DETタービンにVG30DETターボユニットのコンプレッサハウジングを組み合わせて使うことにした。
タービンハウジング経路のサイズを見比べてみると、小さい順に、L20ET < RB20DET < VG30DET である。 2Lという排気量を考慮すると、この経路サイズは無用に大き過ぎないほうが無難と判断したから。


左から、RB20DETとVG30DETのタービンハウジング内部。
奥へ続く経路の広さを見比べると、VGハウジングのそれはより大きい。 見た目、断面積で1.5倍程度違う。

以下、比較写真を幾つか。


左から、RB20DETとVG30DETのターボユニット。 両方ともコンプレッサハウジングはVG用、元のL20用に合わせて角度調整済み。


コンプレッサハウジングを外した、タービンハウジング。
左からRB20DET、VG30DET。


タービンハウジングを外し、ブレードの状態をチェック。
写真はRB20のものだが、ブレード形状とサイズは、並べて観察した限りではVGと何ら変わらない。




コンプレッサハウジング。 左からRB20DET、VG30DET。 入口の口径は同じ。

アクチュエータロッド加工



HR30に合わせてターボユニットの出入り口角度を調整したため、RB20DET用のアクチュエータはそのままでは付かなくなった。
そこでロッドを曲げ、併せて長さを調整式にしてブースト圧を可変にする。 オイルパイプとの干渉がないよう、曲げ形状を慎重に決める。
曲げ角度がきついため、取り付け後にテンションでたわまないよう、補強の意味でロッドの曲げ戻しした部分に溶接で肉盛りをした。
このあとバラし、溶接部分を軽く塗装して完成。


ちなみにVG30DETターボユニットに付いていたアクチュエータは、作動開始圧力が低いため、使わないことにした。 RB20DETのもの(写真下)は、おおよそだが0.7kg/cm2でロッドが動き始めるのに対し、VGのそれは約0.4kg/cm2。

冷却水路

冷却水をどこから引いてきて、どこへ戻すかも考えなくてはいけない。

当初は、エアレギュレータを通る水のインとアウトをそれぞれ分岐させてターボユニットまで引けばいいか、とも思った。
でも、サーモスタットが開いてラジエータに水が流れる時とそうでない時とで水圧(つまり水量)に差が出る恐れが大きいことと、ターボユニットを通って熱せられた水をウォーターポンプの吸い込み側へ戻すのはいかがなものか、との判断で取りやめ。

R33などを見ると、ターボユニットの冷却水は、シリンダーブロック側面にある取出口から供給されている。
ターボユニットから出た熱い水は、インマニ内にあるウォータージャケットの6番シリンダー側へとパイピングで導かれ、そこでシリンダーヘッドから出てくる熱い水と混ざり、アッパーホースへ行く、或いはエンジン内を循環するという仕組み。
つまり、ウォーターポンプから圧送される水が、エンジン内を通る際、途中から分岐されてターボユニットへと行く水が取り出され、ターボユニットから出た水はエンジンを通ってきた水へ再び合流する。
RBエンジンはL型と違い、ロアホース側にサーモスタットが入るいわゆる「後サーモ」だが、その違いはあれど、水路に関してはRBと似た流れを作ってやれば良いと判断。


まず、水の取出し口から。 考えているのは以下の2案。
(1) ヒーターへと行く経路を分岐する
T字状に分岐させること自体は簡単だが、タイトなヒーターホースの取り回しをどうするか、意外に悩みそう。
(2) 6番シリンダー付近のドレンボルトを利用する
ここからだと、ターボユニットとの距離も短く、現実的かも知れない。
・・・ 考えた結果、(2)を採ることにした。


一方、水の戻し先は、サーモスタットより下流でラジエータに近い場所が良さそう。
(1) サーモハウジングにL字型のニップルを付け、そこへ戻す
(2) アッパーホースを途中で切断し、水温センサー取付用アダプタを割り込ませてそこへ戻す
・・・見た目もシンプルにまとまりそうな(1)に決定。

水の取り出し口準備


ラジエターの水を抜いたあと、車両の下にもぐり、6番シリンダ横のドレンボルトを外す。
と、思いがけず多量に残っていたLLCが勢い良く噴き出してきた。 とっさにかわしたが間に合わず、浴びてしまった・・・。


ドレンボルトに代わり、水道配管用のフィッティングで、LLCの取り出し口を作る。

戻り配管失敗例

サーモスタット手前に水を戻すつもりで、サーモハウジングを加工しフィッティングを取り付け、配管を作ってみたのだが、これは見事に失敗。


サーモハウジングを外して、良く見ると、何やらネジ加工用としか思えないボスが2箇所。
さっそくここに穴を開けてPT1/4のネジを切る。
ちなみにこのサーモハウジング、メーカー製廃になって久しい。 代わりが無いので、失敗しないよう、慎重に作業。




配管には、ホームセンターで購入した水道配管用の銅管を使う。
まずはフレア製作から。 フレアリングツールに銅管をセットし、コマで先端を内側へカールさせる。


内側へカールさせたら、今度はツールの円錐形の先端で外側へ押し広げ、フレアを作る。


フレアの完成。 ラッパ状の部分を2枚重ねとするダブルフレア。
フレア製作前にナットを通しておくことを忘れてはいけない。


フィッティングを付けてパイピング完成。


ディスビ、インマニ、インテークパイプなど諸々の部分と干渉しないよう、銅管を曲げては実車にあてがう作業を幾度となく繰り返し、やっとのことで形状を決定。


銅管がエンジンの振動で振れないよう、ブラケットで数箇所を固定して、完成。
ブラケットは、一部溶接で自作したものを除いて、R32用の純正水パイプから外したもの。


実際に水がうまく流れるかを確認するため、上流側(6番シリンダ横ドレン)と下流側(サーモスタット手前側へ入る銅管の入り口)とを、写真のような圧力計で繋ぎ、エンジンを始動。
コックを閉じて流れを遮断した時、上流側と下流側の間に明らかな水圧差が出ればOK、と思ったのだが、エンジン回転を上げても、コックを開閉してみても、フルスケール1kg/cm2のメータで目視できるような水圧差は無し。
よって、この方法の水戻しはダメ、というのが結論。



新品のサーモカバー。 こちらはまだ新品が出る、ので、思い切って頂部に穴を開ける。
あとは、エア配管用タケノコ、それにエルボ。


アルミ用ハンダとフラックス。 カセットボンベ用バーナー。
このバーナーはロウ付けなどに使うタイプとは違い、炎がかなり広がるので、うまく集中的に加熱できるかが心配。


穴を開け、PTねじを切り、そこへフィッティングをねじ込んで、ハンダ付け。
やはりバーナーの熱が全体に広がり、なかなかハンダが溶け出さずに焦ったが、どうにか出来た。
気付くと、カバー上面に火膨れのような盛り上がりが数箇所・・・ 加熱し過ぎの一歩手前だったか・・・ まあ結果オーライということで、最後にねじ部の周囲にデブコンを塗布して、完成。

----- ここまでが2005年までにやったこと -----

September 20, 2009
4年ぶりに作業再開

水配管の製作やらタービンの脱着やら、面倒な作業が多くて延び延びになっていた(していた)作業だが、インタークーラーの追加が完了したこともあって、久々に再開。


エキマニから取り外した元のターボユニット。 シャフトの回転も滑らか。 オイル漏れも一切なく、状態は至って良好。 ただスイングバルブ解放圧を測ってみると0.5kg/cm2程度しかなかった。 何故だろうか。 本来は0.7程のはずなのだが。
改めて見ると、同じ2LのRB20DET用に比較してもコンプレッサハウジングのインテーク側の内径やインペラの外径、出口の内径はいずれも随分小さめ。

解放圧をセット


HCR32のRB20DET用タービンにY32のVG30DET用コンプレッサーハウジングを組み合わせたハイブリッドなターボユニット。 元のターボユニットと入れ替えにこれを取り付ける。
スイングバルブの解放開始圧はひとまず約0.9kg/cm2にセット。


取り付け完了の図。 アクチュエータ手前に見えるU字型のホースはクランクケースブローバイホース。 元のホースがアクチュエータと干渉するため、取り回しを変更してこうなった。 急激な曲げで内径が潰れないよう、中にスプリングを入れてある。
オイルリターンパイプの位置が変わってしまい、オイルパンへと繋がる短いホースにクランク状の曲がりが生じてしまったのが少し気がかり。 オイル漏れが無いかマメに状態をチェックしようと思う。

水配管


エンジンブロックの6番シリンダ横のドレンプラグからターボユニットへと配管を引いた。 曲げ直して片側をカットしダブルフレア加工を施したHCR32用のパイピングに、水道配管用フィッティングを組み合わせた。
ターボユニットへ入る部分は元のバンジョー型のまま(右写真の中央上寄り)。


ターボユニットから出ていく水の配管は上方へ伸ばし、フレアツールを使って端部に抜け止め加工をして、銅パイプで製作した配管へと接続。 その配管はインマニ上を通って・・・


サーモカバーへと導かれ、水がラジエータへ戻るという仕組み。


インテークパイプとインマニの距離が離れてしまったので、取り敢えず急場しのぎにアルミ端材でブラケットを製作。 L字型のホースは元々クランクケースブローバイホース。 長さ的にちょうど良かった。

インテークリリーフバルブの解放圧アップ


手元にあったノーマル品を改造してみることにする。
キャップ中央のリベットをもみ取ると中から現れるのはこれらの部品たち。 なお写真に写ったシャフトは再組み立てのためにスタッドボルトを既に立てた状態。


元のスプリングの内側に更にスプリングを追加し、解放圧を上げる。 圧の調整はワッシャの増減で。
組み立ては工具要らずで簡単、かつ確実に固定されスッポ抜ける心配を感じさせない。 良い設計だなと思わせる構造。
このあとキャップを被せてナットで固定。


0.7kg/cm2にセット。 セットと言っても、ワッシャではあまり細かい調整は出来ないので、成り行きと言ったほうがいい。

強烈な加速!

待望の試運転をしてみた。 正圧になり過給が始まるあたりからしてトルク感が増して加速がラクになった、というのが最初の印象。 そこからアクセルを踏み込んでいくと、今までは過給も終盤に差し掛かっていた0.3〜0.4kg/cm2付近からパワーがググッと盛り上がり、0.5〜0.6kg/cm2あたりで一気に強烈な加速が始まる。
ベタ踏みでの過給圧はメーター読みで0.7kg/cm2とほぼ狙い通り。 長時間ベタ踏みをしていないので何とも言えないが、各ギアで引っ張って、ノッキングが出ないか、排気温度が異常に上昇しないか、水温は安定しているかなど様子を見て、問題が無さそうなら過給圧はひとまずこれでOKとしようと思う。 燃料系がノーマル状態のままなので、エンジンを壊さないよう慎重に様子を見たい。

ターボユニットの交換、ひとまずは成功!
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