Top > 修理 & レストレーション > ヘッドライトOH、リフレクタ再メッキ
R30のヘッドライトは、月日の経つごとに暗くなる、と相場が決まっている。
主な原因は、リフレクタのメッキの傷みやくすみ。
この蒸着メッキは、バルブの熱により亀裂・剥離が起きるようだ。
そうなると、陸運支局での持ち込み車検はどう頑張ってもパスしない。 光量は全く足りないし、光軸もはっきり出ない。
測定機を惑わせ、毎回結果が変わり・・・、温情でもらう合格のハンコは、決して気分良いもんじゃない。
なんとかしようと、早速分解にかかる。



ヘッドライトAssyに熱湯ちょい手前のお湯を裏側から注ぎ、待つこと数分。
ガラスレンズ周囲のシール材は、あーら不思議、ぐにゃぐにゃに軟化する。
そこですかさず、ライトボディとレンズの隙間を徐々にこじって分離させたところが上の写真。
余談だが、この方法を知る少し前に、常温下でムリにこじり、「パン!」という音と共にレンズを割ってしまったことがある・・・。


外したリフレクタの状態が上の写真。
バルブの熱で焼け、剥がれ落ちたたメッキ。 これじゃ光量・光軸共に出ない訳だ。
この蒸着メッキ、分解して脱脂洗浄剤で拭いたら、何故か溶けて剥がれ、下地が露出してしまった。


ダメモトで、耐熱スプレーカラーの銀色を拭いてみた・・・。 磨いても光沢は出ず、やるだけ無駄だった。


これはしっかり再メッキする以外にないと判断。 リフレクタ4個を、メッキ業者へ出した。 料金は1個あたり\4,500。
仕上りはこの通り。 待ち望んだこの光景。 これでもう光量不足ともお別れだ。
メッキはニックロで、先に銅の下地処理を施す。
ちなみに、このようなすり鉢状の品物は、奥や隅に行くほどメッキ膜厚が薄くなりがちで、難しいらしい。


ライトボディの内面は、長年日光に当たり続けた部分の日焼けがひどく、見事に白化している。
機能上は問題ないのだが、外観の向上のため、このあとオフブラックで塗装。
これで、クルマの顔が引き締まって見えるようになった。


さて、今から頭をよぎっている不安が光軸調整。
と言っても車検で検査されるハイビームではなく、ハイとローの整合性の調整。
通常、ライトAssyの裏側にある光軸調整スクリュを回すと、ハイとローのリフレクタ両方を保持している黒いフレームが動かされ、ハイ側でのみ光軸を調整するのだが、よく見ると、ロー側にも独立した調整スクリュがフレームに付いている。 これはライトAssyを組み上げた状態ではもう、アクセスできない。
ライトメーカーでこれの調整を終えたのちにAssyしているものと思われる。
さて、どうしたものか。
ちなみに写真は、上が右側のライトAssyから外したリフレクタとそのフレーム。下は左側。


そこで、ライトボディの後ろに穴を開けて、Assy後にロー側も独立して調整できるようにした。
調整後は何かでフタをするつもり。
写真は右側のハウジング。


再メッキしたリフレクタを組み、ハウジング外周にはホルツのブラックシーラーを塗布。
結局、このシーラーは片側だけで一本使い切ってしまった。
これは右側。


左側には、工事現場でよく使われている、シリコンシーラントを使用。
こちらの方が、安くて使い易い。 最初からこれにしておけば良かった。


向かって左が、OH後のライトAssy。
ペイントしたライトケースと、綺麗に洗浄したレンズで、引き締まった顔になった。

オーバーホールした、ピカピカのライトAssyを取りつけ、いざ車検へ。
が、車検前のテスター屋で、ハイビームの光量が極端に足りないことが判明。
測定値は、右が6,000カンデラ、左が7,000カンデラ
再メッキしたリフレクタと、洗浄したレンズで組み上げたライトなのに、なぜ?
ちなみに、4灯式のハイビームは、12,000カンデラないとダメ。
ダメモトでバルブを換えたり、コネクタのかん合をきつくしてみたり、点灯中にアクセルをあおったりしても、全く改善せず、左右の光量バランスにも変化の兆候は全く無し。
よって、ライトや直前のコネクタなどが原因ではなさそう。より上流のどこかで断線、もしくは漏電しているのだろうか?
どうひっくり返っても車検は通らないと判断し、光軸だけおおよそ合わせて、そそくさと退散。
それにしても、オーバーホール前のメッキ焼け&曇ったレンズで測定した2年前よりも更に低くなっている光量には、ショック。


そんな中、ふと立ち寄った中古パーツ屋で、ヘッドライト用ワイヤハーネスを発見。
1996年製と、少々古いが、未使用・未開封の新品。
ロービーム側に従来から使用中のものと、偶然にも同一品。 ハイビームは2極だが、そのまま使えるはず。
これ無しで問題が解決すればいいのだが、原因が究明できなかった場合の、最後の頼みの綱として購入。
車検を通さなきゃ、公道走れないし。


リレーハーネスと、念のため入れ替えてみた100Wバルブのおかげで、光量は、右が約14,000カンデラ、左が約12,500カンデラまで上がり、合格ラインの12,000カンデラに辛うじて乗った。
検査自体には予測通り合格したのだが、ここまでやってこの程度なのか、と少しガッカリ。
テスター屋のオネエサンが言うには、同じく4灯式の最近の小型車だと、20,000カンデラくらいは軽く出るらしい。クルマによっては、70,000カンデラをたたき出すものもあるらしい。
やっぱり、このクルマのライト、元がそもそも良くないようだ。

こうして見ると、前回と同じように、やっぱり左が暗い。 これは、写真のせいではなく、肉眼でも確認できるほど差がある。
外灯、内灯とも、揃って左側が暗い。 再メッキの仕上がり具合、レンズの綺麗さも左右同等のはずなのだが。
車両右側にあるバッテリーから伸びた配線の長さ左右不均一で、そもそも左側用の方がかなり長いため、その分の抵抗が影響しているのだろうか?
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